肩の力を抜いて、まずはこの町に飛び込んでみよう。ー 応募者へ送る、事務局スタッフからのメッセージ

学生ライターの小泉です。

昨年夏に南三陸町でインターンをした際お知り合いになった山内さんからお話を頂き、大好きな南三陸町のおもしろい事業についてこれから記事を書かせていただきます。今回はそのシリーズの第1弾として、事務局スタッフの皆さんを取材しました!

 

2017年5月から活動を開始し、起業家のサポートや広報を担うNCL南三陸事務局。

 

南三陸では震災後、地元の人たちの気付きによって、環境に配慮した養殖や山の保全をしながらの林業など持続可能な街づくりに向けて様々な取り組みがなされてきた。1つ1つが面白い取り組みでも、それらがバラバラになっていてはもったいない。もっとその動きを加速させ、また地域に起業家を入れ新たな動きを作るために設立された。「NCL南三陸はあくまで南三陸の動きを面白く編集して、そこに起業家が参加するための入り口を作ったという感覚。けっこう楽をさせてもらいました(笑)」と山内さんは言う。

 

今年度の採用に向けた広報活動を前に、事務局の役割や南三陸で地域おこし協力隊として活動することの魅力について語ってもらった。

 

―事務局メンバーは3名。山内亮太さん、佐藤和幸さん、鈴木麻友さんだ。

 

NCL南三陸全体を取りまとめる山内さん。東京で社会人生活を送っていたが、震災ボランティアとして南三陸入りした。ボランティアとして活動しながらも南三陸でまだまだやれることがあると感じていた彼。活動終了後もNPO法人ETIC.を通じて南三陸を担当し継続的にこの地域と関わってきた。役場や町民のなかに幅広い人脈を持つ、南三陸における地域おこし協力隊の取り組みには欠かせない存在だ。

昨年4月から地域おこし協力隊として事務局で活動する佐藤さん。
卸電力会社で勤務後早期退職し法科大学院で勉学に勤しむ最中震災が発生。仙台市、多賀城市や栗原市などでコンサルティング業務や福祉施設、飲食店の立ち上げなど様々な活動をしていたときに山内さんから南三陸でのプロジェクトの話を聞き、南三陸の目指す循環型社会のモデルに共感し南三陸で活動し始めた。

昨年10月から活動している鈴木さん。
関東で電機メーカーの仕事をしていたが、震災をきっかけに南三陸町へ赴くようになる。そこで亮太さんや魅力ある町の人との出会い、住民と行政が一緒になって進める南三陸のまちづくりに惹かれるようになった彼女はその動きに自身も加わることを決めた。

 

―NCL南三陸の事務局はどんなことをしているんだろう。普段の仕事について聞いてみた。

 

主な仕事は、起業家のサポートとNCL南三陸の広報活動だ。NCL南三陸では既に8名の起業家が活動をしており、彼ら1人ひとりに事務局スタッフがコーディネーターとして付き、密に連絡を取り合っている。
事業計画や3年間の使い方も人それぞれ、個性豊かな起業家に合わせたサポートをしながらオーダーメイドで形にしていく。某中古本販売業からワイン造りの道へ進んだ人もいれば、大学から現在に至るまで建築一本の人もいる。活動中に海外留学を決断した人もいた。各地に視察へ行ったり飲み会をしたりとプライベートでも時間を共有したり、起業家にプラスの情報があれば随時伝えたりとコミュニケーション量はかなり多い。その分扱う情報量が多い事務局スタッフではあるが、自分の関心分野が広がっていると楽しそうに語っていた。

 

モジュールハウスのプロジェクトに取り組む起業家・羽根田将宏さんは事務局スタッフの印象やスタッフとの関係についてこう語る。

「事務局のスタッフの方々はみんな変というか(笑)でもみんな変だから自分が考えていることとかやりたいことを素直に言える環境かなと思います。常識は大切だけど、常識にとらわれ過ぎていないからこそ今も僕はここにいるんだと思うかな。自分のプロジェクトのニーズがこの町にあるのか、自分はここで何ができるのかモヤモヤしていた時期もあったけど、スタッフとの会話の中から気づきがあったりして、今では先が見えてきています。お兄ちゃんとかお姉ちゃんみたいな感じかな(笑)」

仲の良い事務局スタッフと起業家たちもその関係は付かず離れず、起業家自身の選択を大切にしている。あくまでプロジェクトの主体は起業家たちだ。情報共有の流れは滞らないようバランスを取りつつのコミュニケーションが図られている。

 

 

 

また、今年3月には事務所をリニューアルし、コワーキングスペースとしても運用を開始したことでみんなが顔を合わせて仕事をする場もできた。
以前からNCL南三陸のメンバーが一堂に会する定例会議やプロジェクトごとに起業家と担当スタッフの個別面談を行なっていたが、日常的な共有時間が増えたことで親密度は増し、顔が見えることで些細なことでも相談できる雰囲気ができてきている。

さらに広報活動ではFacebookやWebサイトでの情報発信に加え、南三陸のプロジェクトにこれから応募しようとしている人への対応も行なっている。説明会だけでなく、個別での相談も大歓迎だ。

 

それに加え、事務局はプロジェクトの構築そのものにも取り組んでいる。南三陸の地域おこし協力隊は、役場と事務局スタッフが共に議論し合いながら、地域の課題やビジョンを丁寧に共有し、その可能性や面白さをプロジェクトとして作り上げている。だから、1つ1つのプロジェクトが単発の盛り上がりで終わるということがない。南三陸における地域おこし協力隊の活動は、地域の産業振興や課題解決につながるプロジェクト群なのである。

 

これは南三陸で活動することの魅力の1つだ。事務局スタッフの佐藤さんはこう語る。

南三陸では町が掲げている「循環型社会」というモデルを土台にプロジェクトができている。だからそれぞれのプロジェクトが単発で終わることがない。それぞれの活動がつながり合い、町が目指す社会のあり方とつながり合うことで町全体を盛り上げていくことが口先だけでなく本当に実現できる。そんな環境がここにはある。

 

南三陸で活動することの魅力はまだまだあるようだ。山内さんと鈴木さんもその魅力について話してくれた。

南三陸はかつて金が取れ、養蚕でも一儲けした地域。チリ地震など数度の災害に遭いつつも、海・里・山の豊かさを利用しながら新しい取り組みをしてきた。そんな欲求が強い町だと山内さんは言う。

さらに震災を機に外から多くの人が入ってきたことによって、外部とコラボすることで新しい価値を生むことの面白さに気づいた人がたくさんいる。だから南三陸の人は外から来る人にオープンだ。

「もちろん乗り気じゃない人だっているけど、価値を生み出したり何かをやり切る人だと思ってもらえたら、逆にお節介なくらいに助けてくれる。」それが南三陸のノリの良さであり、懐の深さだ。

 

―NCL南三陸の取組みがいかにそれ単体で独立せず、町とつながりをもっているか。町民の反応からもそれが窺い知れる。

 

2年前からプロジェクトが開始したワイナリーの活動は特に目に見えるため、町民の関心もあつい。外に出て町の人と会うとブドウの調子はどうかと聞かれることも多いという。
また、今年のはじめから開始した井原さんの市街地活性化プロジェクトでは今年3月にタコ焼き販売のプレリリースを行い、2度目の販売を楽しみに待つ声が聞かれている。まちの想いとつながったプロジェクトだからこそ町民のこのような反応がもらえる。

 

 

―起業家を受け入れる大きな懐と細やかなサポートがある南三陸での地域おこし協力隊。最後に、スタッフから応募者へのメッセージを伺った。

 

鈴木さん
「この町が目指している循環型社会は、これからの日本や世界で大切にされていくものだと思っています。だからそんな考え方をしていて、今その実現に向けて動きが起きているこの地域は実に先進的で面白い町。だからこそ、小さな田舎町に行って何かするというよりも、この土地で新しいことに取り組んでそれを日本全国に発信していくような、そんな想いを持って応募してほしいなと思います。」

佐藤さん
「1度ここに来てみたらいいんじゃないかな。自分にやりたいことや作りたい社会があるのなら、それにチャレンジする土壌がここにはある。だから1回来てみて、南三陸って面白いなと思ったらやってみればいいんじゃないかなと。」

山内さん
「2つありますね。まず、南三陸は既に新しい動きや取り組みの流れができてきている地域だから、それをうまく利用して自分の生き方に向かって思いっ切りやってみてもいいのかなと。あとは、自分の事業の延長線上に地域の人の喜ぶ姿があるのならそれでいいと思う。この町の循環型社会のモデルは大きなうねりではあるけれど、それだけに捉われずに我々スタッフや仲間とのやり取りの中で自分のアイディアが地域にはまっていく、そんなことが後から起きてもいいのかなと思います。」

 

南三陸町における地域おこし協力隊は、町の想いと人とつながり合っている。この町には、自分のやりたいことをやり遂げる強い意志をもった人を受け入れる土壌がある。そして事務局スタッフのオーダーメイドなサポートがある。南三陸町に必要な事業を立ち上げ、それを継続させることは簡単ではなくとも、やってやれないことはない。この町はそんな環境だと感じた時間であった。

 

肩の力を抜いて、まずはこの町に何ができるのか、自分のやりたいことや生き方をどう実現したいか考えよう。完璧なんか必要ない。まずはスタッフに相談してみよう。そうすればきっと、この地域と自分の可能性にわくわくする瞬間が訪れるはず。

 

NCL南三陸では、2018年度ラボメンバー募集の説明会を行っています。事務局やパートナーの人たちと直接話しができる機会となっています。ぜひ会場へ足を運んでみてください。

 

 

(文=小泉晴香。学生ライター。青森県出身。宇都宮大学国際学部に所属し国際社会学を専攻。昨年夏には復興庁が主催する復興・創生インターンで南三陸町に1か月間滞在。きれいな自然や人の優しさ、まちづくりに向け尽力する人たちと出会いこの町に魅了された者の1人。)

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