プロジェクト情報事務局

大自然溢れる南三陸で育む、究極のマリアージュ

マリアージュと聞いて、皆さんは何を思い浮かべますか?
おいしい食事とワイン、笑い声、太陽の日差し、幸せな空気感…
それにとどまらず、森里海の大自然がコンパクトにぎゅっと詰まった南三陸では、
町全体をフィールドとしたマリアージュを実現しようとしています。

今回は、今年4月に初めての商品をリリースした南三陸ワイナリー株式会社の代表取締役を務める佐々木道彦さん、
そして、日本初のASC認証を取得した牡蠣を育てる漁師の後藤伸弥さんのお二人に、
そのビジョンを伺いました。

 

【おいしさの裏側にある自然の営み、を感じるワイン】

今年3月、東京・銀座で開催した、南三陸ワイナリーと仙台秋保ワイナリーのコラボイベント。

牡蠣、タコ、サーモン、ホタテ、ホヤ、イベリコ豚、ネギ、椎茸、アスパラガスといった南三陸の食材をふんだんに活かし、南三陸ワイナリーと秋保ワイナリーのワインに合った、その日限りの逸品料理が提供されました。

当日参加した約60名のお客さんからは、「一品一品、料理に合わせてワインが選ばれいて大満足でした」「南三陸の牡蠣を取り寄せてみたい」「南三陸を訪れてみたい」という声を多数お寄せいただき、会場は大いに盛り上がりました。
料理を手掛けていただいたシェフからも南三陸の食材に対して高評価をいただき、南三陸ワイナリーの掲げるビジョンが、ただワインを作るためのものではなく、”ワインを通して南三陸全体を盛り上げていこう” としているものだということがよくわかった、との嬉しいコメントもいただいたそうです。

 

その後、4月に正式リリースした白ワインとスパークリングワイン。
反響について佐々木さんに聞きました。

「南三陸町内のいくつかの酒屋さん、飲食店さん、宿泊施設さんに置いていただいています。
中には、初回の注文を納めた直後に観光客の方がまとめて買ってくださって、慌てて再注文をいただいた例もあります。町民の方からもお土産や贈り物として欲しいという声をいただいていて嬉しい限りですね。
また、仙台のスーパーマーケットつかさ屋さんの全6店舗でも販売を開始していただき、一部関東の飲食店さんからも引き合いをいただいています。おかげさまでスパークリングワインは発売から1ヶ月ほどで2017年に仕込んだ300本を完売しました。

宮城県内でワイナリーが次々と生まれる中、純粋に美味しいワインを作るというだけでなく、南三陸という町全体が自然を大切にしていて、その営みの中で生まれるワインというストーリーに関心を寄せてくださっている方が多い印象です。すでに南三陸のASC認証の牡蠣を知ってくださっている方々は、同じく自然の営みを大切にした牡蠣とワインの組み合わせ、というストーリーに魅力を感じてくださっているようです。」

 

後藤さんはどう捉えているのでしょう。

「3月のイベントには牡蠣を提供させていただきましたが、手応え感を佐々木さんから聞き、当日会場に足を運べなかったことを悔やんでいます(笑)

自分たちが誇りを持って育てた食材を美味しく食べていただけるのは何より嬉しいことです。牡蠣について言えば、オイル漬けにしても身の大きさが変わらなくてびっくりだとか、牡蠣といえば白ワインだと思っていたけどグラタンにするととってもクリーミーで赤ワインにも合いそうだとか、自分たちも気付かなかった食べ方を消費者の方々がして喜んでくださるのはとても嬉しいですね。

現在注力して育てているのは牡蠣ですが、農産物を含め他の食材とのマッチングを考えた時に、これまであまり量を育てていなかった品目も、それがあればグッと料理の幅、食材の楽しみ方の幅が広がるのではないかと考えるようになりました。
自分たちの食卓にも、これまでは日本酒や焼酎と合う料理が並ぶことが多かったですが、そこにワインが加わると食卓にバリエーションが出そうで楽しみです。漁師の間でも南三陸ワインに対する期待感は高く、新しい動きに向けてできることを模索している仲間は少なくありません。」

二人の頭の中には新たな料理のアイデアが巡っているようです。

 

【食卓だけがお客さんとの接点ではない】

マリアージュと聞くと、ついつい料理とワインの組み合わせや、食卓のワンシーンをイメージする方も多いかもしれませんが、可能性はそれだけにとどまりません。

「南三陸の食材とワインの組み合わせを楽しんでもらいたい、というのが何よりですが、それだけでなく “生産者とお客さんの接点” や “南三陸の大自然とお客さんの接点” も生み出していきたいんです。」と佐々木さん、後藤さん。

南三陸の食材の美味しさを育んでいるのは、南三陸の自然。その自然に消費者自らが直に触れたり、日々自然と対峙している生産者さんと触れ合うことで、食材の美味しさの裏側にあるストーリーが見えてきます。

たとえば、牡蠣の美味しさを生み出している要素の一つは、丁寧に手入れされた森から流れ出る養分。牡蠣の水揚げ時期はおおよそ9月〜6月ですが、降水量の多いシーズン初期には、外湾の棚よりも、山に降った雨が注ぎ込む河口に近い内湾の棚の牡蠣の方が実入りが良いと言います。
ワインの味の大部分を左右するぶどうの美味しさを生み出すのも、日照、気温、降水量、 地質、水はけ、地形、標高といった自然の要素です。

“自然が育む美味しさ”。言葉にして並べるとさらっと理解した気分になるかもしれませんが、それを体感できる仕組みを作りたいと二人は言います。

 

 

昨年は、牡蠣の養殖棚の近くにワインを沈めて熟成させ、半年後に船に乗って沖合まで出てワインを引き上げ、その場で海中熟成前後のワインの飲み比べや、剥きたての牡蠣とのマリアージュを楽しむというイベントを開催し、好評を得ました。

「船の上での味わいは、普段レストランや家庭で感じるものとはまた全然違った感覚だという声をいただきました。
いつもにも増して食材が新鮮だという影響もあったでしょうが、それだけでなく、牡蠣やワインが熟成されている環境、たとえば波の動きだったり、気温や水温だったり、志津川湾がぐるっと森に囲まれていること、森に降った雨がこの湾に養分を運びながら注ぎ込むことをいうことをリアルに想像していただけたのかなと。あとは私たち生産者が日々どんなことを考えているかを聞いていただいたことで、参加者の皆さんに感じ取ってもらえた部分があったのかなと思います。」
と後藤さん。

昨年は宮城県内にお住まいの方を中心に約30名にご参加いただきましたが、次回はより遠方からも来ていただけるよう、関係者の皆さんと作戦を立てていくとのこと。

そのほかにもアイデアは尽きません。

「たとえばトレイルランのコースを町内に作って、山の尾根から志津川湾を一望したり、稜線をたどって地形の起伏を体感したり、途中ぶどう畑の側を果実がたわわに実っている様子を横目に走り抜けたり。小川のせせらぎを聞き、お米や野菜の育つ様子を間近に見て土地の肥沃さを体感し、そのうち海が迫ってきて潮風の匂いをいっぱいに浴びながらゴールをした後に、食事とワインを楽しむ。そんなことができたら最高だなと思っています。」
と佐々木さん。

さらには、ぶどう畑を舞台に、ぶどう棚の間に長ーいロングテーブルを置いて、志津川湾を眺めながら、近くの畑で収穫した食材をふんだんに使った料理とワインを楽しむ、といった企画もこの秋に予定しているようです。

「森と海の距離が近い、南三陸の特徴を活かした究極のマリアージュを確立していきたいですね!」

 

 

【地域の人々に愛される産業を目指して】

そんな究極のマリアージュを楽しむ文化とともに、南三陸ワイナリーをどのように発展させていきたいと考えているのでしょうか。最後に佐々木さんに聞きました。

「まずは地域の方々に知っていただきたいです。まだまだワイナリーは “地域の外から来た人が取り組んでいる事業” として認識されていると思います。今はまだ町外のぶどうを町外で醸造している状況ですが、これから、ぶどうの産地、醸造場所、と徐々に拠点を町内に移していく計画です。
そうした時に、ぶどうを栽培する人、ワインを醸造をする人、食事を提供する人、それぞれに人材が必要になります。そこにぜひとも地域の人々に加わっていただきたいと思っています。もちろんお客さんとしても多くの町内の方にお越しいただきたいですし、あらゆる観点から地元との接点をもっともっと増やしていきたいですね。”南三陸の産業” となるにはまだまだ時間がかかると思いますが、必ず実現してみせます。」

 

今年1月に移住して以来、南三陸ワイナリーの立ち上げに向けて絶え間なく動き続けている佐々木さんの見つめる先には、南三陸でとれたぶどうでできたおいしいワインを片手に、この町の大自然、そしてそこに息付くなりわい・暮らしの魅力を身体いっぱいに体感し、笑顔で集う人々の姿が浮かんでいるようです。

 

 

佐々木さんが手掛ける南三陸ワイナリー、後藤さんが手掛ける戸倉っこかきの最新情報はそれぞれ以下にて発信しています。ぜひご覧ください。

南三陸ワイナリー https://www.msr-wine.com
戸倉っこかき https://toguraquest.com

 

また、NCL南三陸では2019年8月現在、10名のラボメンバーが事業の立ち上げに向けて奔走中です。
各メンバーの活動内容はこちらのページをご覧ください。

これからも全国の皆さまの応援をどうぞよろしくお願いいたします!

 

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